ビタミンを知ろう!(1) ビタミンはB1から

連載:ビタミンを知ろう!

医事評論家 菊地一久
2001/12/13

2000年3月号「医学ジャーナル」掲載より再掲載
ビタミンは、私たちのからだを構成している60兆個にも及ぶ細胞にとって必要な、微量栄養素である。ビタミンのほとんどは、体内で合成されることが困難で、毎日の食事から摂取しなければならない。

先日、若い人が、朝食抜きでも、必ずビタミン剤はとる、と当然のような顔をして発言した。食事をとるからこそビタミンはとれるし、そのとった食事を栄養とするためにビタミンが働くのである。食事をとってはじめてビタミンが役に立つのである。どうも、ビタミン剤を、たん白質や脂肪、ブドウ糖などの栄養物と間違えているらしい。ビタミンは微量で、大変な仕事をしている。このことが研究で分かってきている。

■ ビタミンはB1から

最初に発見されたのが、ビタミンB1、である。ハトの多発性神経炎に効果があり、又、脚気の予防になるということが分かったのだ。このことからもビタミンB群は、神経と縁の深いことがわかる。

其の後の研究で、脳や神経の独特なはたらきに対して大切な役割を果たしていることが明らかになった。それは、多くのビタミンB群に属する水溶性ビタミンが発見され、それらが、細胞内の化学反応を触媒とする酵素の働きに欠かすことができない補酵素とであることが分かったからだ。

私たちは、前にも述べたように、日常の食事から、アデノシン3リン酸(ATP)という化学エネルギーを使って、生きている。
神経細胞に限らずすべての細胞は、ATP(脳神経細胞の刺激伝達)の化学エネルギーを供給されて、生きている。それは一つのパルスを発生するのだが、そのために消費されているエネルギーは微々たる物でもからだ全体でみればそのパルスは膨大な数になる。とくに脳のエネルギー消費は大きく、平均してからだ全体のエネルギー消費の四分の一を占めているのだ。脳は多くのグルコース(ブドウ糖)と酸素を必要として、活動している。このどちらかが供給ストップしたら、神経細胞は数分で回復不能な障害を受けて脳の機能はダウンし、死がやってくる。
この脳の複雑な働きの一つに、ビタミンB1・B2・B12・パントテン酸は重要な役割を担っている。

ストレス社会、忙しく働く脳にとって、ビタミンB群は欠かせないのだ。

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