ビタミンを知ろう!(2) 女性とビタミン

連載:ビタミンを知ろう!

医事評論家 菊地一久
2001/12/13

2000年3月号「医学ジャーナル」掲載より再掲載

■ 女性とビタミン

若い女性に多い疾患といえば、鉄欠乏症の貧血がある。成長期(思春期)に増大する鉄需要と月経時の鉄損失が、通常の鉄摂取量(食事)では補充しきれないために起こる疾患である。鉄剤の服用で、大事に至ることはないのだが、ビタミンA・Cが鉄欠乏症貧血と関係が深いという。

ビタミンA値は、ヘモクロビン量が低いほど低下するというのである。
したがって、鉄欠乏症貧血症の治療には、鉄のみでなく、ビタミンAが必要だ。
鉄は通常、肝臓に蓄積されているのだが、ビタミンAが、この蓄積された鉄を放出するのに役立つから効果がでるという。


このほか、鉄の吸収をふやすビタミンとしてCが重要だ。
食事から非ヘム鉄(鉄になる前の物質)の吸収は、25~75mgのビタミンCを同時摂取によって、四倍またはそれ以上に高まるという。
鉄とビタミンCは、同じ食事中に摂取する必要がありそうだ。
すなわち、緑黄色の野菜やマグロの赤身のように鉄分の多い食品と、ビタミンCの多いレモンやみかんなどの果物、牛乳やタマゴ、肉などビタミンAのあるものを食卓に並べることが大事だ。とにかく、バランスの良い食事だ。

■ 月経前期症候群にビタミン

月経開始前10日前後の黄体期に、各種精神症状、とくにうつ状態やイライラ、さらに下腹部症状を呈する人が多い。エストロゲン分泌が最高になる排卵期にビタミンB6が効果がある。


詳しくは省略するが、ビタミンB6の低下はセロトニンの減量につながり、うつ状態を引き起こすと考えられている。文献によると、ビタミンB6を50~100㎎投与すると、うつ状態が50%、頭痛などは80%の改善がみられたという報告がある。また、これに加えてビタミンEとカリウムを投与すると、76%に月経前期症候群の改善がみられたという。

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