所要量を満たすだけではダメ おちいりがちな所要量の罠

連載:ビタミンつれづれ

薬剤師 古田裕子
2002/11/01

ビタミン・ミネラルは人間の体の代謝を円滑に進め、生理機能を正常に維持する上で欠くことのできない栄養素で、不足すると健康を損ない、運動能力が低下し、さらに不足の度合いがひどくなると欠乏症を引き起こし、最悪の場合死に至ります。


一般的にビタミンの所要量は厚生省の「日本人の栄養所要量」によって定められていますが、実際にはそれぞれの環境、ライフ・スタイルなどによって個人差があり、所要量は常に変化しています。


ボート競技は大きなパワーと持久力を要求されるスポーツですが、最近このボート競技の選手を対象とした栄養摂取状況についての調査結果が報告されました。

それによると、ある大学ボート部の選手の1日平均のエネルギー摂取量は4,600kcalで、たんぱく質摂取量は2.1g/kgとトレーニング期に必要とされる2.0g/kgを満たしており、ビタミンB1は所要量1.8mgに対して2.8mgを摂取し、ビタミンB2も所要量2.5mgに対して実際の摂取量は2.7mgでした。

また、この食事調査と並行して実施した血液生化学的な栄養状態の検査結果から、ビタミンB1 については対象選手14名中9名が欠乏状態、2名が境界域欠乏状態で、正常な数値を示した選手はわずか3名しかいませんでした。
さらにビタミンB2は半数の選手が境界域欠乏と判定されました。このことはトレーニング期にあってエネルギー消費量の非常に高いスポーツ選手の場合は、「日本人の栄養所要量」に定められている所要量よりも高いレベルでビタミンB群が必要であることを示しています。
(参考:スポーツ生理学・朝倉書店)

一方、一般の人に目を向けても、仕事や勉強によるストレス、健康のためのスポーツ、酒やタバコ、食事の内容、生活環境などによって一人ひとりのエネルギー代謝に差が生じ、体が必要とする栄養素の所要量は変動します。そして、栄養素の所要量を満たした食品をとっても調理の仕方や体調によってその栄養素の吸収効率が落ちるため、食事からだけでは必要とされる量のビタミンを満たすことは困難です。

健康で活動的な毎日は、まず必要な栄養素を効率よく体に取り込むことから始まります。そのためにはこのように日常の生活で不足しがちなビタミンを補う、天然素材で吸収効率のよいビタミンのサプリメントをコンスタントにとることが、誰にも簡単にでき、かつ非常に効果的な方法なのです。
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