伝統を守らなかった日本
連載:米国発、新・食のピラミッド
日本の取り組み一方、日本において高齢化社会への準備はどうなっているのでしょう。現在の日本は、寝たきりのお年寄りが年々増え続けています。そして25年後には今の倍、230万人以上の寝たきり老人が予測されています。特別養護老人ホームはどこも空きがなく、入園を待機している高齢者は後を絶ちません。高齢者を抱える家族に在宅介護を薦めたり、介護ヘルパーを養成するなどが急ピッチで進んでいますが、十分行き届いていないのが現状です。 |
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守るべき伝統、伝えるべき味さて、ここまで、アメリカの健康プロジェクトの成功例を挙げてきましたが、勿論わが国日本にもすばらしい点があります。それは、“食文化”です。アメリカでは高齢者の寝たきりが減る一方で、肥満とそれを主な原因とする糖尿病患者の数が急増しています。実は、日本でも、年々肥満の数と糖尿病患者の数が右肩上がりで増え続けています。その原因は、日本の食事の欧米化、特にアメリカ化にあります。今の平均寿命は、今のお年寄りがどれくらい生きられるか、を示したものであって、決して私たちがその年まで生きられるという保障はありません。 |
(つづく) |
連載: 米国発、新・食のピラミッド