新・食品指導ピラミッドとは
発表 |
2001年 |
作成 |
ハーバード大学公衆衛生学のウォルター・ウィレットとそのグループ |
背景 |
・アメリカ人はUSDAで基盤として推奨された炭水化物をメインに取り入れるようになった時から、痩せてもいないし、健康でもない、と指摘している。”糖尿病の患者数は90年代に飛躍的に増加していることは、その証拠である。とウィレット博士は、食品指導ピラミッドを批判する
・食事の楽しみを保ちつつ、体重をコントロールできて、しかも健康を増進することができる食事方法がないものかと、模索
・短期間の減量を狙ったものではなく、生涯を通じての健康のために、ウィレット博士が考案
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問題点 |
・民間の企業に比べて広告にかけられるお金が少ない
→広く知らしめるのが大変 |
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新・食のピラミッド -The Healthy Eating Pyramid-

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[主張]
“食べ、飲み、そして健康になろう”
- ジャンクフードやインスタントフードをやめる。
- 野菜はどれだけ食べてもいい。
- 手本とするのは、米と野菜が主のアジアの料理や、魚、ナッツ、オリーブオイルを多く摂取する伝統的な地中海の食事。
→ この2つは食事方法のいい手本となるし、実際に活気にみちた健康と長寿につながっている。しかし、USDAのピラミッドのロジックを採用すると、この2つとも健康にいい手本とはならない。しかしもし、高脂肪・低脂肪の分け方を放棄して、よい・悪いという新しいピラミッドの物差しを取り入れたら、前の2つは全て納得がいく。この健康的な2つの食事方法は、脂肪は植物性のものと魚由来のものに頼り、精製された穀物をいくらか含んではいるものの、どちらも、シナモンロールは食べ物のグループとして入っていない。
- 洋の東西は問わず、健康に美味しい料理を摂る
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[特徴、食品指導ピラミッドとの違い]
栄養素ごとの分類ではなく、 一つ一つの食べ物に焦点を当てる
- 食品指導ピラミッドとの大きな違いは、従来の脂肪やタンパク質といった食品分類ではなく、一つ一つの食べ物に焦点を当てたこと。
- 従来の脂肪や炭水化物、タンパク質といった分類にとらわれず、さらにその中のものを良い栄養素と悪い栄養素ごとに注目して、分類を組み替えた。
- 精製した穀物(小麦粉)ではなく、全粒分などを推奨。
- ピラミッドの土台を“毎日の運動と体重のコントロール”とした。
- 燃焼の早い炭水化物は赤身の肉と同居して屋根裏部屋部分に納まっている 。
- 良い炭水化物(全粒粉食品)と良い脂肪(植物油)が一番下層階を占める 。
- タンパク質食品を単品グループとして扱うよりも、ウィレット博士はそれらを家中のあちらこちらににちりばめた。
- ナッツ類と豆類は階層の一番上に位置づけられ、続いて魚類、鶏肉、卵の順で続く。
- 食品指導ピラミッドでタンパク質摂取の双肩の半分を担っていた酪農製品は、新しいピラミッドでは、カルシウムサプリメントと簡単に入れ替えられてしまった。
- これらの食生活の補助として、マルチビタミンを摂る
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出典:ニューズウィーク2003年1月号(英語版) |
(つづく) |