小麦中心のパンやうどんは避ける。
新・食のピラミッドでその頂点に立っているのが、イモ類と小麦そして白米です。つまりこれらは、なるべく避けるべきだ、ということです。しかし、私たち日本人の食事は
米食が基本です。そして、ご飯を他のデンプン食品と一緒に危険食品としてしまうことには疑問を感じます。ご飯が太りやすいというのは、誤解です。ご飯は実は、他のデンプン食品に比べて、太りにくい食品なのです。しかし、一方で、日本人の白米の取りすぎによる、栄養のアンバランスも指摘されています。白米に加えて玄米や雑穀米、そして、野菜や魚・肉などをうまく取り入れて、バランスのよい食事を心がけてください。
ごはん食よりパン食の方が太る!?
ご飯は腹持ちがいい
よく噛むご飯は消化がゆっくり
昔から、ご飯は腹持ちがよく、パンは腹持ちが悪いと言われています。それは、パンが粉食なのに比べて、ごはんは粒食。ごはんを消化するには、咀嚼が必要なので、満腹中枢が刺激されておなががいっぱいになるのです。その上、消化吸収がゆっくりでエネルギーが持続して供給されるので、おなかがすきにくいのです。
インシュリンの分泌量の比較
・太るメカニズム
太る時、皆さんは体内でどのような変化が起こっているか知っていますか?“太る”という現象は、血液中の脂肪分が増え、その脂肪分を脂肪細胞が活発に取り込み、結果的に貯蓄脂肪が増えてしまうことによって起きます。この活動を活発にしてしまうのが、インシュリンです。
・インシュリンの値を表すGI値とは?
以下は、ここで話題となっている食品のGI値の一覧です。GI値とは1981年にカナダのジェンキンス氏らが、同じ量の炭水化物を含んでいても、食品によって摂取後の血糖値の上昇が違っていることを発表しました。これを表す方法として、基準となる食品(白パン・ブドウ糖等)と同量の炭水化物を含む食品を食べた後の2時間後までの血糖の上昇を比較して数字に置き換えたものをグリセミックインデックス(=GI値)といいます。この数字が高いほど、糖が血液中に入る速度が早くなり、血糖値が早く上昇することになります。
GI値 |
ブドウ糖 |
100 |
精製された小麦を使用したパン |
95 |
ベークドポテト |
95 |
マッシュポテト |
90 |
白米ご飯 |
70 |
玄米ご飯 |
50 |
全粒粉パン |
50 |
・イモ類とパンはインシュリン上昇値が高い
上の表は、これらの食品を食べたときの、血液中のインシュリンの上昇率を示しています。これを見ると、ハーバード大学のウィレット博士が危険とした、イモ類と精製された小麦を使用したパンを食べた時のインシュリンの上昇率が高いことがわかります。
・うどんやパンはなぜ太る?
食事は普通、脂肪分を含んだものと一緒に摂ります。インシュリン分泌力の強いパンやうどんをそれらの脂肪食品と一緒に食べると、インシュリンに刺激された体内の脂肪細胞が、活発に脂肪を取り込みやすくなります。つまり太りやすいということです。インシュリンの分泌の緩やかなご飯の場合は、同量の脂肪分を摂取したとしても、脂肪分が比較的と取り込まれづらく、脂肪が体に付きにくいのです。
・パンはこってりした食事、ご飯はあっさりしたおかずがよく合う
また、 パン食の場合は、一緒に食べるものがどうしても脂肪分の多いものになります。もともとパンにはバター、牛乳、卵といったものが加わって作られているのに、さらにパターをつけて食べたり、肉類やシチューなどと一緒に食べるのでどうしても脂肪が取り込まれやすいのです。一方、米飯食の場合は、焼き魚やおひたし、味噌汁といった和食中心のメニューになるので、必然的に、取り込まれる脂肪の量も少なくなります。
ごはんには、食物繊維と同じ効果がある
ごはんには、食物繊維と同じ働きをする、消化に抵抗するデンプン、“レジスタントスターチ”という成分が含まれています。レジスタントスターチとは、「消化されにくいデンプン」のことで、食物繊維と同じように、腸内で消化吸収されず、整腸作用をもたらすものです。だから、便秘や大腸ガンの予防にも効果があります。 |