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ビタミンEと連携して体を酸化から守る
ビタミンEの働きと共通するところがあり、Eとともに過酸化脂質の発生を抑えます。
セレンは胃、下垂体、肝臓に多く存在します。体内に発生した活性酸素によって細胞が酸化されると、過酸化脂質ができ、
連鎖的に細胞を破壊したり、異常細胞を形成したりして、細胞の死を早めます。
しかし、セレンは自らが活性酸素と結びつくことによって過酸化脂質の生成を防いで、細胞を酸化から守ります。
このときに、セレンは同じように脂質の酸化を防ぐビタミンEと共に働く性質があります。
それぞれを単独で摂るよりも、一緒に摂取したほうがより効果が大きくなります。この2つの物質は、共にいることによって、
1+1が2つ以上の力を発揮できるのです。
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頭髪のトラブルを解消
セレニウムは抗酸化作用による老化防止のほかに、脱毛や白髪などの頭皮や毛髪のトラブルを解消する働きとしても、注目されています。
脱毛は、遺伝やホルモンのバランス異常、ストレスによるものだと考えられていました。
しかし近年、日本人の食事がどんどん欧米化する中で、高カロリーの食べ物や高脂肪の食べ物の摂取も飛躍的に伸びています。
こうした中で、これまで考えられていた原因以外にも、ハゲの原因を栄養障害に見る見方も増えてきています。 栄養の偏った食事によって、頭皮の血液の循環が悪くなり、頭部の新陳代謝が衰え、それが老化を早めて毛髪の再生を遅らせて、
脱毛や極端に細い髪や柔らかい髪しか生えないというトラブルを起こします。これは、血液中の過酸化脂質が増えて頭皮が老化するからです。
このとき、セレニウムの抗酸化作用によって頭皮の老化を予防します。 |
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セックス・ミネラル
男性の体内中のセレニウムの半分は、睾丸と前立腺につながる精管に集中して存在しています。
また、セレニウムは精液に入っていて、射精をするたびに体外に排出されてしまいます。
男性の場合、摂取したセレニウムは、セレノプロテインというタンパク質の形で体内に存在し、
体の大部分の組織では数時間程度でピークに達し、その後は低下する一方です。
しかし、男性の生殖器では、その後数時間に渡って安定したタンパク質の形で残存するそうです。
インポテンツは精神的なものが関係していると言われますが、最近では、
セレニウムや亜鉛の不足などによる栄養状態の向上がインポテンツの克服につながるのではないか、という議論がなされています。
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有害物質を無害化
マグロから発見された水銀の毒性を軽減するはたらき
水銀は水俣病の原因物質として有名で、きわめて毒性の強い金属です。
しかしマグロには非常に高濃度の水銀が存在しますが、マグロ自身が水銀中毒症状を示すことはありません。
様々な調査の結果、あることがわかりました。高濃度の水銀を含有しているマグロはセレン含有量も高く、
セレン含有量の低いマグロは水銀量も低いことが明らかになりました。このようなことから、
セレンは水銀と結合して毒性の低い物質をつくるのであろうと考えられるようになりました。
水銀と結合して肝臓に沈着
銀の毒性に対するセレンの影響についてかなり多くの研究が行われ、セレンが水銀の毒性を軽減することが確認されています。
その一例として、千葉大学薬学部の山根靖弘教授らが行った実験があります。
セレニウムが水銀の毒性を軽減
ネズミに水銀とセレンを与えてその違いを表した実験ですが、水銀を投与したネズミは10日までに全部死亡してしまいますが、
セレンと水銀を同時に与えたネズミは全部生き残っています。そして、肝臓中の水銀量は、
水銀だけを与えたネズミよりセレンと水銀を与えたネズミの方が多くなっています。セレン濃度についても同様で、
セレンだけを与えたものよりセレンと水銀を与えた方が肝臓中のセレン量が高いのです。
これは水銀とセレンが結合して無毒で安定な化合物をつくり、肝臓に沈着するからだと考えられます。
このように、セレニウムは、重金属を無害化するという研究結果が確認されています。 |
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セレンの毒性について
セレンはセックスミネラルとしての注目や頭髪のトラブル解消など、体への効果が謳われる一方で必要以上に摂りすぎると中毒症を起こす、という危険な側面もあります。一般に、日に5ミリグラム以上摂取すると毒性症状が現れるとされています。セレニウムが発見されたのは、わずか30年少し前のことにすぎず、ようやくその重要性が認識し始められたばかりです。他の栄養素と比べても、比較的新しく、研究でも次々に新しいことが分かり始める途上の段階にあります。
中毒症状としては、疲労感、焦燥感、脱毛、爪の薄化、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、末梢神経障害などが上げられますが、日常生活で普通に食事をしている限りにおいては過剰症はほとんど見られないので、あまり心配しすぎる必要はありません。また、サプリメントは推奨量を守って摂取してください。 |